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アルジャーノンに花束を

アメリカの作家ダニエル・キイスによる小説。1966年。 主人公チャーリー・ゴードンが「経過報告」として書いた日記という設定。 知的障害を持つ青年チャーリーは、新開発の「頭がよくなる」手術を受け、すばらしい知能を獲得する。初めはスペルミスや語順がめちゃくちゃだった文章は(日本語訳では句読点の使い方や漢字の量で表現)、手術後IQが高くなるに連れて知的な文章に変わって行く。頭のよくなったチャーリーは、知識を得る喜びを知り、本を読み漁る。教師に恋心を抱き、それも成就する。

一時は幸せの絶頂にあったチャーリーだったが、頭がよくなったことで、それまで知らずに済んでいたことも知ることになる。自分が母に捨てられた子供であること、職場では仲良くしてもらっていたのではなく、いじめられていたのだということ。あまりのチャーリーの変貌ぶりに、チャーリーには近づく人は次第に減っていき、チャーリーは孤独を感じ始める。これだったら頭がよくなる前の方が幸せだったのではないか? とチャーリーは自問し、苦悩する。

やがて、自分より先に同じ脳手術を受け、一時は高知能を獲得するもその後死んでしまったアルジャーノンというネズミを通じて、チャーリーは脳手術に欠陥があったことを知る。彼自身もゆくゆくは死んでしまうのであろうと悟るが、その頃には知能が衰え始め、いろいろなことを次々と忘れていき、文章もめちゃくちゃになっていく…。 高い知能を得ることは幸せなのか? 本当の幸せとはなんなのか? と問う、テーマ性の強い小説。

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