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世界の貧困問題について

数百万ヘクタールのマングローブ林を作ることができれば数百万の人々を養う事ができるが、まだ何億人もの人が貧困に苦しんでいる。しかしSato博士は、政治的な問題で社会が崩壊しつつあっても、科学により解決されうるとおっしゃった。

地球温暖化について

近年、ハリケーンや台風の災害が多発し、北極の氷が融けるなど地球温暖化の被害が増加していると考えられる。様子を見ようという科学者もいるが、Sato博士はそんな猶予はないとお考えだった。

地球温暖化の1つの解決法として、温室効果のあるガスを抑えることがある。しかし、Sato博士はそれは無理であるとおっしゃった。それはインドや中国などの発展が目覚しい国を止めることはできないし、そのような権利もないからである。

Sato博士は、砂漠地帯を緑に変えることで地球温暖化を防ぐことができると考えていらっしゃった。そうすれば、温室効果ガスである炭酸ガスを固定し、さらには家畜産業によって人々の生活を支えることもできるからだ。海水と肥料を使えば、マンザナール・プロジェクトと同じようにマングローブ林をつくることが可能だ。問題は、どのように海水を経済的に汲み上げるかである。博士は「みなさんも一緒に考えてください」と呼びかけた。

日本の食料自給率について

現在、日本の食料自給率は約40%だ。「これを改善できれば、食糧不足が問題となっている世界の国々に応用できるだろう」と言い、Sato博士は、藻類を増やす方法を提案なさった。藻類は、リン・窒素・鉄+糖を与えると30分に1回分裂する。この条件を利用して藻類を増やすことができれば、それを餌とする海老や魚も増え、日本の海が変わるだろうという提案だった。

若者へのメッセージ

Sato博士は松田先生に何か若者へのメッセージはあるか聞かれると、真っ先に髪の色について話し始めた。「なぜ髪をそめるのか。おそらく、日本の卓越性である黒い髪に対する抵抗だろうが、そんな事はまったく無意味だ。」「若者はなぜそれをやっているのかを考えてみるべきだ。」「例えば、あなた方の親の世代には、働いて日本のレベルを上げるという目標があったが、今の若者にはそれがないのではないか。だから髪を染めたりするのではないか。」と力強くおっしゃっていた。これに対し、会場の髪を染めていた高校生は、困った表情をうかべる者、ぶつぶつ文句をいう者など様々な反応があった。

最後に、石油産油国であるナイジェリアでの貧富の差や、メガワティ大統領のときにインドネシアの貧富の差が拡大したことなど、これを機会に世界の問題に関心を持って欲しいと高校生達に語りかけていた。

参考:サトウ博士インタビュー和訳(旭硝子財団)
財団法人 旭硝子財団 顕彰事業 ブループラネット賞受賞者講演録

文責:平山 佳代子

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