櫻井圭記氏
瀬名秀明氏
オリジナルとコピーのはざまで
─ゴーストが宿る場所─
時: | 2006年東京大学五月祭2日目─5/28(日) 13:30〜 |
場所: | 本郷キャンパス工学部5号館1階51講義室 |
パラサイト・イヴなどの著者・瀬名秀明氏(作家、東北大学機械系特任教授)とTVアニメ版“攻殻機動隊”の脚本・櫻井圭記氏(Production I.G)が、ロボットと人間の差異を端緒に熱い対談を繰り広げる!
人は、自らの似姿をロボットに与えた。
そして今、人は自らの機能の多くがロボティクスで代替可能なことを知った。
あまりに精巧に作られたロボットは、人間の定義を侵食しだす─…
人間とロボットを「オリジナルとコピー」という観点から問い直し、イノセンス(あるいは攻殻機動隊)におけるゴーストについて考えます。
目次
ここでは、対談の内容を全文掲載していきます。当日の模様やタイムテーブル、“SCInote”についてはこちらです。
なお、対談の全文は、2007年の五月祭で配布された“SCInote2”にも掲載されています。“SCInote2”は“SCInote”同様、東京堂書店さまに置いていただくことができましたので、そちらでお買い求めいただけます。
1 「イノセンス」より
映画「イノセンス」のハラウェイとトグサ、バトーの会話のシーンの上映をきっかけに、対談スタート。登場人物それぞれの吐く息に着目。
2 チューリング・テスト
瀬名氏の著作「デカルトの密室」の話から、櫻井氏の脚本作品「ささやかな反乱」の話へ。「チューリング・テスト」が、二つの作品に共通するキーワードとなる。
3 不気味の谷・タチコマ
櫻井氏の脚本作品「機械たちの時間」が面白いという瀬名氏。「タチコマ」はどう作られていったのか。人間らしい、ロボットらしいとはどういうことか。『不気味の谷』に触れながら対談は進む。
4 ゴースト
「攻殻機動隊」シリーズのメインテーマともいえる、"ゴースト"に話題が及ぶ。ライル、ケストラーら哲学者の名前も登場。ゴーストはどこに宿るのか。
5 記述し得ないもの
人はパルスや要素に還元されないものを持っているのだろうか。大澤真幸やクリプキ、チェスの世界チャンピオンを破った「ディープ・ブルー」などに触れつつ、「知能とは何か」にまで踏み込んだところで前半が終了する。
6 ミステリー・同期
後半スタート。廣松渉と人形使い。後期クイーン問題からネットワーク理論へ。さまざまな分野に関心を寄せる二人は、どこでシンクロするのか。
7 四人称? SSS
小学生時、イギリスに住んでいたという櫻井氏。子供のころに持っていた「人称」に対する考え方が、「STAND ALONE COMPLEX」につながっているのかもしれない。攻殻機動隊シリーズ最新作についての話題も。
8 引用・ウィトゲンシュタインNEW!!
「イノセンス」のバトーとトグサの会話のシーン。「引用」ばかりの会話についての考察は、コミュニケーションの問題、言語の問題へと発展していく。
用語解説
対談に挙げられた用語や書籍についての解説です。随時追加していきます。
- 「攻殻機動隊」シリーズ/義体化・電脳化
- 瀬名秀明氏の著作
- ダナ・ハラウェイ
- チューリング・テスト
- ローブナー・コンテスト
- 不気味の谷
- W-J・オング「声の文化と文字の文化」
- 「アルジャーノンに花束を」
- ギルバート・ライル「心の概念」/アーサー・ケストラー「機械の中の幽霊」
- 大澤真幸「恋愛の不可能性について」/R.Dレイン「好き好き大好き」
- クリプキ「Naming and Necessity」
- ディープ・ブルー
- 廣松渉「世界の共同主観的存在構造」
- スタンレー・ミルグラム/スティーヴン・ストロガッツ/ダンカン・ワッツ
- 「お伽草子」
- マルティン・ブーバー「我と汝」
- ユビキタス・コンピュータ
- リチャード・ドーキンス
- シャノンとウィーバーのコミュニケーションモデル
- ウィトゲンシュタイン+永井均
準備中