太陽は核融合炉である。

図.1 太陽
夜空から家庭内まで広く存在するプラズマですが、やはり一番の代表格となると太陽が挙げられるでしょう。
太陽の中は常時プラズマ状態で、水素原子が衝突し、別の種類の粒子になり、さらに衝突が続いていくつかの段階を経て最終的にヘリウムになっています。このように、粒子が衝突して融合し、新しい粒子が生成することを一般に核融合と呼びます。
太陽における核融合で発せられた光が地球に届き、あの暖かい日差しが降り注いでいるのです。
左の図は最も単純な核融合の例としてWikipediaに掲載されているもので、水素原子、重水素・三重水素と呼ばれる特別なもの同士が激しくぶつかり合ってヘリウム原子と中性子に変化しています。後の記事でまた出てくるのでちょっと心に留めておいてください。
さて、現代はエネルギー問題が極めて大きな関心事になる時代です。化石燃料は底が尽きそうだし、実は原子力だって現在燃料として使っているウランの埋蔵量はそんなに多くなく、100年持たないとも言われています。使用済み核燃料からプルトニウムを抽出すれば話は別ですが様々な問題があります。風力、水力、地熱その他の発電方法はあまり発電量を得られません。
では、どうすればいいのか。
地球上に小さな太陽(みたいなもの)を作っちゃえばいい。
太陽光発電が十分実用化されているくらいだから、その光のエネルギーをもっと直接得られないか。つまり、核融合を地球上で起こし、生じるエネルギーのロスを最小限に留めた状態で発電機に回せれば…という考えのもと研究が進められているのが核融合なのです。
ちょっと一息
エネルギー問題と関係付けてよく論じられるのが、温暖化の問題です。
火力を使う発電は二酸化炭素を多く排出するので、温暖化の一因と言われています。とはいえ、火力発電をなくしても温暖化が止まるかどうかについては、極めて懐疑的にならざるをえません。
なぜなら、二酸化炭素を排出している主要因が別にあるからです。主要因─重化学工業で炎を多用する現状を何とかしないと、温暖化防止の効果があがらないかもしれないのです。
そこで強力な助っ人になりそうなのが、「炎をマイクロ波で代替する技術」です。簡単に言ってしまえば「オーブンで熱するのをやめて電子レンジで熱する技術」、今回のシンポジウム第二部最後で「核融合から21世紀の産業技術へ」と題して講演される佐藤元泰さんが研究しています。
詳しくは後日公開される記事をご覧ください。
準備中