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【地震モニタリング】

新潟中越地震以降、地震に対する建造物の安全性への需要がますます高まっている。そんな中、従来のものよりさらに信頼性のある安全性評価をするべく、森川研究室と鹿島建設株式会社が共同で地震モニタリングの研究を行っている。

このモニタリングには、3種類の機器からなる無線センサネットワークシステムを用いる。3種類の機器とは、シンクノード、ウェイクノード、そして多数のセンサノードである。機器は全て手のひらサイズで、現在のところはエネルギーに乾電池を用いている。これらをフロアの天井、床など各所に設置するのだ。この内センサノードは省電力を実現するため、普段はスリープ状態で地震が発生したら起動するようになっている。この起動を促すのがウェイクノードであり、地震を感知したらセンサノードへ信号を送るシステムだ。また、シンクノードは、通常時から全てノードの時刻を正確に合わせるため、常に作動している。

以上3つのノードを用いたシステムにより、地震発生から200秒間、水平・上下方向の揺れを各センサノードが計測する。デモではウェイクノードの乗った机に振動を与えてから、5秒間センサノードを人が揺らし、その振動の様子を表したグラフがパソコンの画面上に出る様子を実演してもらった。結果は大変すばやく出て、揺れている様子もしっかりとグラフに現れていた。

従来の地震モニタリングでは、多くてもフロアに1つのセンサしか用いなかったが、この方法では多数のセンサを用いているのが特徴だ。多数のセンサをつけることで、各センサが計測した結果を組み合わせて、地震中の建物の揺れ方のアニメーションを作成することが可能となる。この研究は、建築物の安全性評価に役立つだけではない。将来的には、このアニメーションを携帯などに送信することで、地震が起きた際に自宅から離れたところにいた場合、自宅が無事かどうかを確認できるサービスなどにも応用できる。地震大国日本にとって、大変頼もしい研究であるようだ。

文責:戸松あかり

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