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サイボーグ医療と生命倫理

香川知晶@山梨大学

はじめに

 サイボーグ医療が提起している問題は多岐にわたる。そこには多くの興味深い論点が含まれており、多様な観点から分析、考察することが必要だろう。

たとえば、視覚や聴覚を人工的に回復させることと脳の指令で動く精巧な義手を開発することとは、本質的に同じことなのだろうか。脳が義手を使いこなせるようになる過程と、人間の脳が幼児期からしだいに発達していく過程との間には、どのような関係があるのだろうか。パワーショベルを操作することとパワースーツを使うこととは、何が違うのだろうか。DBS(脳深部刺激療法)によって心の病が「治る」というのはどのような意味なのか、等々。放送を見ると、そうした問いが次々に浮かんでくる。

しかし、ここでは、そうした多様な論点を個々にとりあげるのではなく、いささか迂遠ではあるが、分析や考察の前提となる枠組みについて、生命倫理との関係から大まかに述べておきたい。

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