ギルバート・ライル「心の概念」
アーサー・ケストラー「機械の中の幽霊」
ギルバート・ライルは(1900〜1976)はイギリスの哲学者。
アーサー・ケストラー(1905〜1983)はハンガリーのジャーナリスト、小説家、政治活動家、哲学者。
ライルは著書「心の概念」(1949)の中で、デカルトの心身二言論を「機械の中に幽霊がいるという教義」(the dogma of the Ghost in the Machine)であると批判し、人が肉体という機械の中に精神というゴーストをもっているかのように考えるのは間違いであると主張した。
ケストラーがライルの言葉を引いてタイトルとした著書「機械の中の幽霊」(1967)は、「攻殻機動隊」の元ネタであるとよく言われるが、これもまた還元主義的(複雑な事象を基本的な要素に還元して説明しようとする立場)なアプローチではゴーストなる存在を見つけることはできないという観点から書かれた本である。ケストラーは、絶対的な全体や部分などというものは存在せず、すべてのものはある部分に対して全体であり、ある全体に対して部分であると考え、物の構造を著す概念として新しく「ホロン」を提唱したことで有名。ゴーストの全体としての性質が無視され、部分としてのゴーストが探求され還元主義的な脳の研究が進められても、「脳は脳、心は心」のまま会うことがないと捉えた。
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