1章 脳の信号を利用するサイボーグ技術
サイボーグ技術の発展がもたらした恩恵
この章では、サイボーグ技術の発展によってもたらされた信じられないほどの恩恵が紹介されています。
番組冒頭で出てきたジェシー・サリバンさんは、事故で両腕を失ってしまったのですが、考えただけで動かせる義手を装着することで、かなり不自由の少ない生活を送っています。
また、事故で両目の視力を失ったイエンス・ナウマンさんは、人工眼を取り付けることで、再び光を手に入れました。
さらに、筑波大学山海研究所で開発が進んでいるパワースーツ。これを装着すると、身体の弱いお年寄りや女性でも簡単に重たい荷物がもてるようになりますし、危険な現場での作業の機能性・安全性上昇にも役立ちます。
番組関係リンク
- 世界初、意志によって動かせる義手
- 事故により両腕を失った元配電工ジェシー・サリバン。彼は、シカゴのリハビリテーション研究所で、世界初の「思い通りに動く義手」を取り付けられました。この義手は切断された腕の神経の先端を大胸筋に誘導して、そこで筋電信号を発生させ、その信号で装着者が思いのままに腕を動かせるようにしたものです。また、埋め込まれた小さなチップで温度や触感も感じられます。トッド・カイケン医師らによる開発がさらに進められている義手について、概要と動画が見られるページです。番組ではこれらを詳しく紹介するとともに、サリバンさんへのインタビューを行いました。
- ページ制作: Rehabilitation Institute of Chicago, 解説文責: 坂下 碧
- ドーベル研究所
- 完全に視力を失ってしまい、18年間まったく光の見えなかったイエンス・ナウマンさん。彼は2002年、ドーベル研究所で、脳に装置を埋め込む大手術を行いました。この装置は、ビデオカメラで撮った画像を直接脳に送り込むものです。このサイトでは、人工視覚装置に関する記事や動画も見ることができます。番組では、人工眼の紹介やナウマンさんへのインタビューが行われました。
(追記)聞いた所では、ドーベル研究所は、Bill Dobelle氏の死後経営が困難になり、現在、どこか研究機関に丸ごと引き取ってもらえないかということで、交渉中らしいです。リンク先はアーカイブです。ナウマンさんを扱った記事では http://www.cbc.ca-sunday/sight/ があります。 - ページ制作: The Dobelle Institute, 解説文責: 船橋 一訓
- 完全に視力を失ってしまい、18年間まったく光の見えなかったイエンス・ナウマンさん。彼は2002年、ドーベル研究所で、脳に装置を埋め込む大手術を行いました。この装置は、ビデオカメラで撮った画像を直接脳に送り込むものです。このサイトでは、人工視覚装置に関する記事や動画も見ることができます。番組では、人工眼の紹介やナウマンさんへのインタビューが行われました。
- SanLab:ロボットスーツ、人工心臓
- ロボットスーツの着用や、人工心臓の埋め込みによって治癒困難だった患者が救われる!─筑波大学・山海研究室では、機械と人間を結びつける研究が行われています。扱っている対象はロボットスーツ、人工心臓、ヒューマノイド。まずはロボットスーツのページにご注目ください。HAL(自立歩行支援ロボット)を人が実際に装着した画像は必見!機能性もさることながらデザインもお見事。時代はここまで来たのか!と技術の進歩と可能性を実感させられます。このロボットスーツは、番組でも紹介されています。最も印象的なシーンの一つです。
- ページ制作: 筑波大学 山海研究室, 解説文責: 岡田 俊平
関連事項リンク
義肢
- 身体と融合する「バイオハイブリッド」義肢
- 戦争や事故などで四肢を損傷した人たちへの支援を主な目的として進められている、人工部品と人体組織(筋肉、骨格、神経系など)を一体化させる「バイオハイブリッド」義肢の開発に関する記事です。
- ページ制作: Rachel Metz(WIRED NEWS), 解説文責: 須佐美 智博
- 議論呼ぶ、生体組織と無機物を合体させたマイクロマシン研究(上)
- タンパク質と半導体を結合させることで、筋肉細胞で動く機械ができました。電気に反応する織物や、医療用センサーにも使える可能性があります。
- ページ制作: Debra Jones(WIRED NEWS), 解説文責: 平井 洋一
- 21世紀、ナノテクは人類と機械を一体化する
- 機械の知能が21世紀末までに人間の頭脳をはるかに駕ぐ─ 人類と機械の一体化すら示唆した発明家、カーツワイル氏。彼の発言がもたらした、様々な方面への影響についての記事です。
- ページ制作: Declan McCullagh(WIRED NEWS), 解説文責: 新留 一樹
- Kevin Warwick
- 自らの左腕にコンピュータチップをインプラント(移植)し、サイボーグになってしまった研究者─その人の名はケビン・ウォーウィック教授。教授らのグループは、神経インターフェイスを用いて脳からの信号を受信することで、電動・車椅子や人工義手を動かす実験に成功しています。また、埋め込まれた電極に刺激をあたえると、人工感覚が生み出されることも証明しています。ウォーウィック教授を知らずして、サイボーグ工学は語れません。
- ページ制作: ケビン・ウォーウィック教授, 解説文責: 岩崎 陽平
- 融合していく人間とロボット
- 体内への機械のうめこみや人間的なロボットの登場により、「人間とロボットの融合」が現実のものとなりつつあります。その倫理的問題点について述べた記事です。神学的反論が明文化されているのは初めて見ました。
- ページ制作: Patrick McGee(WIRED NEWS), 解説文責: 新留 一樹
- ITmedia NEWS;私は、サイボーグ
- ケビン・ウォーウィック教授が、東京で開催されたシンポジウム「インタラクション2003」で、招待講演を行ったときの取材記事です。
- ページ制作: 美崎薫(ITmedia), 解説文責: 岩崎 陽平
- Inteligent System Division
- 事故で腕を失ってもロボットアームによってそれまで通りの生活がおくれるかもしれません。このページにある横井研究室では、脳からの信号を受信して機械の義手を動かす研究をしています。この研究については、ページ中段にある「2005年度版 研究紹介」の「認知発達機械研究室(横井浩史助教授)中心のテーマ」の部分が一番詳しいです。中でも「多自由度高出力ロボットハンドの開発」にある動画では、実際のロボットハンドの動きを見ることができます。このロボットハンドを使う患者の脳と家庭生活の変化が番組で紹介され、番組の中で最も印象的な場面となっています。
- ページ制作: 東京大学 大学院工学系研究科 精密機械工学専攻 知能システム部門(新井研究室,横井研究室,太田研究室) , 解説文責: 平山佳代子
- 世界初、意志によって動かせる義手
- 事故により両腕を失った元配電工ジェシー・サリバン。彼は、シカゴのリハビリテーション研究所で、世界初の「思い通りに動く義手」を取り付けられました。この義手は切断された腕の神経の先端を大胸筋に誘導して、そこで筋電信号を発生させ、その信号で装着者が思いのままに腕を動かせるようにしたものです。また、埋め込まれた小さなチップで温度や触感も感じられます。トッド・カイケン医師らによる開発がさらに進められている義手について、概要と動画が見られるページです。番組ではこれらを詳しく紹介するとともに、サリバンさんへのインタビューを行いました。
- ページ制作: Rehabilitation Institute of Chicago, 解説文責: 坂下 碧
- 議論呼ぶ、生体組織と無機物を合体させたマイクロマシン研究(下)
- 生体組織の組み立てを機械に行わせる技術や、半分生きている人形などの人工的につくられた生物と無生物の中間体に関する衝撃的な記事です。
- ページ制作: Debra Jones(WIRED NEWS) , 解説文責: 平山佳代子
- 広島大学 辻研究室
- 辻研究室では生体の運動能力・学習能力に注目して、新しい福祉機器やロボット,ヒューマン・マシン・システムの開発を行っています.
- ページ制作: 広島大学辻研究室 , 解説文責: 永田 育真
- Why I'm not impressed with Professor Cyborg
- 『I,Cyborg』という本で有名なKevin Warwick教授の紹介記事。彼は、サイボーグには素晴らしい将来があると確信しています。多くの人が彼の研究に関心を寄せていますが、一方で、メディアにおける彼の過激な自己宣伝に批判的な人もいます。
- ページ制作: Dave Green(BBC news), 解説文責: 野村 直子
- Good legs teach bad legs to walk
- 片方の足が麻痺した人も、もう一方の足から信号を得て、それを麻痺した足に入れてやれば歩けるようになるという画期的な研究について書かれた記事です。 筋肉センサーを両足に入れてつなぐわけです。
- ページ制作: DUNCAN GRAHAM-ROWE (EurekAlert!), 解説文責: 野村 直子
- BBC NEWS | Brain scan 'sees hidden thoughts'
- fMRIを用いることによって、無意識の思考を読み取ることができるようです。fMRIから得られる脳の活性部位の違いを読み取ることによって、二つの選択肢を与えられた被験者がどちらの選択肢を選ぶかが予測できるというのです。英語ページです。
- ページ制作: BBC, 解説文責: 永田 育真
- William T. Newsome
- William T. Newsome教授は視覚認知やそれによって生じる自己決断の際のニューロンのメカニズムについて研究されています。それを通して教授は霊長類の感覚的認識方法・脳内における情報の処理方法・情報に対する反応といったものを理解しようとしているのです。英語ページです。
- ページ制作: HHMI, 解説文責: 永田 育真
- 全国パーキンソン病友の会
- パーキンソン病医療の研究体制の充実化、福祉や法律の充足促進、パーキンソン病の社会認識の向上などを目的とした、パーキンソン病患者・家族による団体のHPです。パーキンソン病の説明や関係史、会の活動などが掲載されています。
- ページ制作: 全国パーキンソン病友の会, 解説文責: 古川 遼
義眼
- Albert Titus's Research Page
- the University at BuffaloのAlbert Titusのホームページです。視覚情報を処理するチップの開発、アナログ集積回路の設計、ニューロンネットワークの研究などを行っています。
- ページ制作: Albert Titus, 解説文責: 北 篤佳
- 「人工網膜」移植技術の可能性
- 人工網膜によって、眼の変性疾患を持つ人が視力を回復する可能性があります。この技術の基本的知識と、今後の見通しを解説した記事です。
- ページ制作: Jessie Seyfer(WIRED NEWS), 解説文責: 田畑 平
- 失明患者を救う人工網膜、数年以内に商用化の可能性も
- これまでに6人の患者への移植に成功した人工網膜の紹介をしている記事です。商用化についての検討もなされています。
- ページ制作: Cyrus Farivar(WIRED NEWS), 解説文責: 青山 倫子
- タコの目の画像処理を模倣するシリコンチップ
- タコの網膜の構造と機能を真似て開発されたシリコンチップを紹介している記事です。いずれはさまざまな動物の視覚系を組み込んだ人工眼ができて、動物の眼で世界を見られようになるかもしれません。
- ページ制作: Michelle Delio(WIRED NEWS), 解説文責: 青山 倫子
- 視力回復に向けて開発が進む「バイオニック・アイ」
- ビデオカメラで撮った映像の信号を、網膜への電気刺激に変える人工眼の手法が紹介されています。また、目に備わっているレンズの代わりとして眼球の中に埋め込んで、網膜に像を投影する、Implantable Miniature Telescopeという機器も紹介されています。
- ページ制作: Lakshmi Sandhana(WIRED NEWS), 解説文責: 平井 洋一
- 「人工網膜」チップ移植による視力回復手術
- 光を電気パルスに変換するチップを網膜の下に埋め込む手術が行われました。このチップは太陽電池で動くので、電力を供給する必要がありません。
- ページ制作: ロイター(WIRED NEWS), 解説文責: 平井 洋一
- 視力障害を補う網膜投影型ディスプレー
- 医学的な治療・矯正ができない弱視の患者も、鮮明にものを見ることが可能になる─ 米マイクロビジョン社の新製品『ノマド』について述べた記事です。
- ページ制作: Michelle Delio(WIRED NEWS), 解説文責: 新留 一樹
- NIDEK 人工視覚研究所
- ヒトの目の仕組みの解説から、失明に至る原因、失われた視覚を補う人工視覚システムの原理・歴史まで、視覚に関することが詳しく書かれたサイトです。
- ページ制作: 株式会社 二デック, 解説文責: 船橋 一訓
- The Octopus as Eyewitness
- タコの網膜と同じ構造を持った人工チップについての英文記事。the University at Buffaloの助教授Albert Titusによる研究をリポート。暗闇で人間の目よりも優れた感度がある。海洋探査に応用するほか、人工網膜からのデータを処理する人工知能の開発をしている。人工網膜を直接人間の脳に接続するのではなく、一度人間の目を通して認識する。
- ページ制作: Wired News, 解説文責: 北
- 人工網膜の試作品が完成/岡山大大学院の松尾俊彦助教授が開発
- 弱光でも感じ取れる人工網膜の試作品が完成したことについての記事です。実用化が期待されます。
- ページ制作: 岡山日日新聞, 解説文責: 平山佳代子
- 3次元積層型人工眼チップの開発
- 現在全世界で網膜色素変性症の患者は1000万人を超えるとも言われていますが、そのような病気による失明者のため現在人工眼の研究が進められています。
- ページ制作: 東北大学, 解説文責: 永田 育真
- 人工眼プロジェクト(人工眼、人工視覚、人工網膜)
- 理化学研究所で研究・開発されているバイオハイブリッド型人工眼は、再生医学とMEMS(Micro-Electro Mechanical System)技術を融合した、日本独自の人工眼として海外からも注目されています。
- ページ制作: 理化学研究所BMCセンター, 解説文責: 船橋 一訓
- 東北大 3次元積層型人工眼チップの開発
- 世界で1000万人以上とも言われている網膜色素変性症の患者への支援を主な目的に、コンパクトで移植が簡単な3次元集積化人工眼の開発が東北大学で進められています。
- ページ制作: 東北大学バイオテクノロジー基盤未来医工学, 解説文責: 野村 直子
- 人工眼の倫理
- イリノイ工科大学の倫理問題を専門とするチームによる、人工眼の倫理に関するページです。視覚神経への電気刺激によって視覚を取り戻させる人工眼が倫理的にどのような問題を起こしうるか、ということに関する論文をまとめています。特色としては、実用化の早かった人工聴覚に関する情報を参考として取り上げている点が挙げられます。 例えば、ページ後半には、手術によっても聴覚は不十分であり、その状況で口話を強制するのは手話などの文化の抹殺になるという批判がありますが、それに対して、健聴者の親が子供に同じ文化を共有させたいと思うのは当然だという肯定側の意見も採り上げられています。そのように客観的なページなので、感覚器に関する問題の全体像が見えてきます。
- ページ制作: The Center for the Study of Ethics in the Professions (CSEP) at the Illinois Institute of Technology, 解説文責: 中村 祥子
ロボットスーツ
- SanLab:ロボットスーツ、人工心臓
- ロボットスーツの着用や、人工心臓の埋め込みによって治癒困難だった患者が救われる!─筑波大学・山海研究室では、機械と人間を結びつける研究が行われています。扱っている対象はロボットスーツ、人工心臓、ヒューマノイド。まずはロボットスーツのページにご注目ください。HAL(自立歩行支援ロボット)を人が実際に装着した画像は必見!機能性もさることながらデザインもお見事。時代はここまで来たのか!と技術の進歩と可能性を実感させられます。このロボットスーツは、番組でも紹介されています。最も印象的なシーンの一つです。
- ページ制作: 筑波大学 山海研究室, 解説文責: 岡田 俊平
- ウワサの“パワーアシストスーツ”を着ちゃいました
- 空気圧を利用して人の力を二倍に、そうすることで非力な方でも介護ができるようになります。神奈川工科大学の研究しているスーツの紹介です。
- ページ制作: こばやしゆたか(ITmedia), 解説文責: 堀田 知愛
- 外骨格型ロボットプロジェクト
- このプロジェクトでは,体力の衰えた高齢者等の運動を補助するため,外骨格型ロボットの研究を進めています。
- ページ制作: 佐賀大学バイオロボティクス研究グループ , 解説文責: 永田 育真
準備中