2章 脳は機械に合わせて進化する
神経インターフェースとは(人工内耳、ロボットアーム)
現在、神経に直接電極をつないで情報をやりとりする神経インターフェースの研究が行われており、その成果のひとつとして挙げられるのが人工内耳です。人工内耳の聴覚から言葉を聞き取る少年が番組にも出てきましたね。これは聴神経を刺激して聴覚をつくるものであり、同様に触覚を司る神経を刺激すれば、触覚がうまれます。また、網膜を電気刺激して視覚をうみだす研究もあります。
逆に、取り出した神経の信号に応じて機械を動かす研究もあります(ただし、番組に出てきた義手は、神経に電極をつないで計測しているわけではありません)。しかしながら現在では、一度に刺激できる神経細胞の数が限られていて、人間の器官がつくる感覚を完全に再現することはできません。それでも、ある程度似ていれば、人工の感覚でも脳は解釈します。
番組関係リンク
- Mabuchi Laboratory
- 東京大学の満渕研究室のテーマは、サイボーグ工学です。神経に接続する電極を開発し、その電極を通じて神経を刺激したり信号を取り出したりする研究をしています。人工的に感覚をつくったり、神経から信号を読み取って使い手の動かしたいように機器を動かせるようにしたりするなどの応用を狙っています。満渕研究室のRatCarプロジェクトでは、ラットの脳から取り出した信号で操作される車を用意し、その車にラットを乗せています。また、自律神経から信号を取って人工臓器の制御をする研究や、筋力の低下した人の動作を助ける機器の研究も行われています。
- ページ制作: 満渕研究室, 解説文責: 平井 洋一
- Inteligent System Division
- 事故で腕を失ってもロボットアームによってそれまで通りの生活がおくれるかもしれません。このページにある横井研究室では、脳からの信号を受信して機械の義手を動かす研究をしています。この研究については、ページ中段にある「2005年度版 研究紹介」の「認知発達機械研究室(横井浩史助教授)中心のテーマ」の部分が一番詳しいです。中でも「多自由度高出力ロボットハンドの開発」にある動画では、実際のロボットハンドの動きを見ることができます。このロボットハンドを使う患者の脳と家庭生活の変化が番組で紹介され、番組の中で最も印象的な場面となっています。
- ページ制作: 東京大学 大学院工学系研究科 精密機械工学専攻 知能システム部門(新井研究室,横井研究室,太田研究室) , 解説文責: 平山佳代子
- 東京大学加我研究室
- 番組内で新生児に人口内耳埋め込み手術を行っていた東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室のページです。東大病院では月2例程度の手術が行われています。耳鼻咽喉科分野と感覚・運動神経科学分野から成っているため、人口内耳の埋め込みだけでなく、手術後の言語の発達過程や音源定位の知覚の研究も行われています。
- ページ制作: 東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室, 解説文責: 増尾 友佑
- 東北大学 飯島研究室
- 極めて優れた情報処理装置である脳は、どのようにして情報を処理しているのでしょうか。飯島研究室では、(1)機能局在(2)機能を支える神経構造(3)情報表現(4)情報処理のアルゴリズム…の4つを一連のものとして理解することを通して、脳の情報処理に関する研究を行っています。このサイトでは、記憶・視覚・匂いの情報表現等の非常に興味深い最新の脳科学の研究内容が、写真付きで簡潔にまとめられています。
- ページ制作: 東北大学, 解説文責: 永田 育真
関連事項リンク
人工内耳
- クラリオン人工内耳
- 人工内耳の販売をしている、日本バイオニクス社のサイトです。人工内耳と補聴器の違いなどが説明されています。
- ページ制作: 日本バイオニクス社, 解説文責: 飛鳥井 聡
- 日本コクレア
- コクレア社は初めて22チャンネルの電極インプラントによる人工内耳を開発した会社です。人工内耳の歴史はコクレア社の歴史といってもいいくらいです。このサイトでは人工内耳の仕組みなどが説明されています
- ページ制作: 日本コクレア, 解説文責: 飛鳥井 聡
- 人工内耳友の会
- 人工内耳友の会は人工内耳を装着された方の交流や技術発展への貢献を掲げた団体です。人工内耳を扱っている病院の一覧があります。
- ページ制作: 人工内耳友の会(ACITA), 解説文責: 飛鳥井 聡
- 人工内耳をどう考える
- 人工内耳について掲示板に寄せられた、聞こえない子供を持つ親からの意見を載せています。
- ページ制作: 東京都立大塚ろう学校, 解説文責: 飛鳥井 聡
- ろう児の人工内耳手術の問題点
- 立命館大学先端総合学術研究科の立岩真也氏が開設するサイト内にあります。東大先端研特任助教授の長瀬修氏による文章で、言語・文化集団としてのろう者にスポットを当てた上で、人工内耳を論じています。
- ページ制作: 立岩真也, 解説文責: 飛鳥井 聡
- 人工内耳と聴覚障害者の文化
- 日経サイエンスのサイト内、Beyond Discoveryで人工内耳について取り上げた記事の内の1ページ。聴覚障害者固有の文化について言及しています。
- ページ制作: Robert Finn(日経サイエンス), 解説文責: 飛鳥井 聡
ロボットアーム
- 身体と融合する「バイオハイブリッド」義肢
- 戦争や事故などで四肢を損傷した人たちへの支援を主な目的として進められている、人工部品と人体組織(筋肉、骨格、神経系など)を一体化させる「バイオハイブリッド」義肢の開発に関する記事です。
- ページ制作: Rachel Metz(WIRED NEWS), 解説文責: 須佐美 智博
- 議論呼ぶ、生体組織と無機物を合体させたマイクロマシン研究(上)
- タンパク質と半導体を結合させることで、筋肉細胞で動く機械ができました。電気に反応する織物や、医療用センサーにも使える可能性があります。
- ページ制作: Debra Jones(WIRED NEWS), 解説文責: 平井 洋一
- 21世紀、ナノテクは人類と機械を一体化する
- 機械の知能が21世紀末までに人間の頭脳をはるかに駕ぐ─ 人類と機械の一体化すら示唆した発明家、カーツワイル氏。彼の発言がもたらした、様々な方面への影響についての記事です。
- ページ制作: Declan McCullagh(WIRED NEWS), 解説文責: 新留 一樹
- Kevin Warwick
- 自らの左腕にコンピュータチップをインプラント(移植)し、サイボーグになってしまった研究者─その人の名はケビン・ウォーウィック教授。教授らのグループは、神経インターフェイスを用いて脳からの信号を受信することで、電動・車椅子や人工義手を動かす実験に成功しています。また、埋め込まれた電極に刺激をあたえると、人工感覚が生み出されることも証明しています。ウォーウィック教授を知らずして、サイボーグ工学は語れません。
- ページ制作: ケビン・ウォーウィック教授, 解説文責: 岩崎 陽平
- 融合していく人間とロボット
- 体内への機械のうめこみや人間的なロボットの登場により、「人間とロボットの融合」が現実のものとなりつつあります。その倫理的問題点について述べた記事です。神学的反論が明文化されているのは初めて見ました。
- ページ制作: Patrick McGee(WIRED NEWS), 解説文責: 新留 一樹
- ITmedia NEWS;私は、サイボーグ
- ケビン・ウォーウィック教授が、東京で開催されたシンポジウム「インタラクション2003」で、招待講演を行ったときの取材記事です。
- ページ制作: 美崎薫(ITmedia), 解説文責: 岩崎 陽平
- Inteligent System Division
- 事故で腕を失ってもロボットアームによってそれまで通りの生活がおくれるかもしれません。このページにある横井研究室では、脳からの信号を受信して機械の義手を動かす研究をしています。この研究については、ページ中段にある「2005年度版 研究紹介」の「認知発達機械研究室(横井浩史助教授)中心のテーマ」の部分が一番詳しいです。中でも「多自由度高出力ロボットハンドの開発」にある動画では、実際のロボットハンドの動きを見ることができます。このロボットハンドを使う患者の脳と家庭生活の変化が番組で紹介され、番組の中で最も印象的な場面となっています。
- ページ制作: 東京大学 大学院工学系研究科 精密機械工学専攻 知能システム部門(新井研究室,横井研究室,太田研究室) , 解説文責: 平山佳代子
- 世界初、意志によって動かせる義手
- 事故により両腕を失った元配電工ジェシー・サリバン。彼は、シカゴのリハビリテーション研究所で、世界初の「思い通りに動く義手」を取り付けられました。この義手は切断された腕の神経の先端を大胸筋に誘導して、そこで筋電信号を発生させ、その信号で装着者が思いのままに腕を動かせるようにしたものです。また、埋め込まれた小さなチップで温度や触感も感じられます。トッド・カイケン医師らによる開発がさらに進められている義手について、概要と動画が見られるページです。番組ではこれらを詳しく紹介するとともに、サリバンさんへのインタビューを行いました。
- ページ制作: Rehabilitation Institute of Chicago, 解説文責: 坂下 碧
- 議論呼ぶ、生体組織と無機物を合体させたマイクロマシン研究(下)
- 生体組織の組み立てを機械に行わせる技術や、半分生きている人形などの人工的につくられた生物と無生物の中間体に関する衝撃的な記事です。
- ページ制作: Debra Jones(WIRED NEWS) , 解説文責: 平山佳代子
- 広島大学 辻研究室
- 辻研究室では生体の運動能力・学習能力に注目して、新しい福祉機器やロボット,ヒューマン・マシン・システムの開発を行っています.
- ページ制作: 広島大学辻研究室 , 解説文責: 永田 育真
- Why I'm not impressed with Professor Cyborg
- 『I,Cyborg』という本で有名なKevin Warwick教授の紹介記事。彼は、サイボーグには素晴らしい将来があると確信しています。多くの人が彼の研究に関心を寄せていますが、一方で、メディアにおける彼の過激な自己宣伝に批判的な人もいます。
- ページ制作: Dave Green(BBC news), 解説文責: 野村 直子
- Good legs teach bad legs to walk
- 片方の足が麻痺した人も、もう一方の足から信号を得て、それを麻痺した足に入れてやれば歩けるようになるという画期的な研究について書かれた記事です。筋肉センサーを両足に入れてつなぐわけです。
- ページ制作: DUNCAN GRAHAM-ROWE (EurekAlert!), 解説文責: 野村 直子
- 満渕研究室取材同行記
- 立花ゼミのゼミ生が、東京大学先端技術研究所内の満渕研究室の取材に同行した記録です。
- ページ制作: 立花ゼミ2班, 解説文責: 平井 洋一
準備中