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文化遺産保護プロジェクト

生研に到着して、我々が最初の部屋に入ると、円筒の側面のように180度視界を包囲してしまう巨大スクリーンが目に飛び込んで来た。天井は高く、部屋全体が「ドーム」といった印象だ。四方八方にプロジェクタが設置してある。温度も湿度も一定、床は絨毯。「快適な環境」というのが私の最初の感想だ。我々はここでスクリーンを使って文化遺産保護プロジェクトの大まかな説明を受けた。

文化遺産保護プロジェクトとは?

池内研では、文化遺産保護プロジェクトというものを行っている。具体的な活動は、有形文化遺産をセンサで三次元計測し、コンピュータで計測したデータを貼り合わせて3Dモデルを作成する。デジタルカメラで撮影した対象物体のデータと重ね合わせて、物体の色も再現する。これによって、いつでも保存時の状態で三次元データを取り出すことができるようになる。このセンサの説明や具体的な応用はバイヨン寺院を参照。

過去に実行されたプロジェクトの一部と、現在進行中のものを紹介しよう。 また、なぜ文化遺産なのか、ということに関しては、なぜ文化遺産なのかをご覧頂きたい。

奈良大仏−大仏を四方八方から見ることができる。

完成品のムービーは、こちらの「Nara Great Buddha(奈良大仏)のmovie」を見ていただきたい。Nara Great Buddhaの写真には、大仏を頭上から写した何とも珍しい写真があることに気づくだろう。

budda top 写真1:奈良大仏(頭上から)

これは、研究チームが実際に文化庁に申請をして、奈良大仏の天井の板を2,3枚外してカメラを入れて撮った写真である。ちなみに、天井の板を外す許可が出るまでに数ヶ月かかったらしい。文化遺産がいかに厳しく保護されているかがわかる。そして、全部で114方向から大仏を撮影し、距離をはかり、パソコンで座標合わせの作業をして情報の統合を繰り返すことによってデータの精度を上げていった。その成果がデジタル大仏である。このようにして、すでに鎌倉大仏、タイ・スコタイのアチャナ仏がデジタル化されている。

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