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プログラム第二案(提出日:2006年2月2日)

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書き出し

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 3月21日のシンポジウムに向けて、いよいよ、具体的なプログラムを策定する段階になりました。

 以下に示すのは、内容の組み立てに関する基本コンセプトと仮プログラム案です。前回の案(新第一案)に対する各位のご意見をうかがった上でまとめた「新第二案」です。

 まだ、内容、タイトルとも、変更可能ですが、もう一回、ご意見をうかがったところで、内容を固めたいと思います。

 その上でインターネット上に合同準備ページ(自然科学研究機構の公式ページと五研究所の公式ページ、ならびに東大教養学部の全学自由研究ゼミナール「研究現場に行こう!」(通称立花ゼミ)が作っている科学メディア・サイト「サイ」(このサイトについての説明は後述)のページをリンクさせて作るヴァーチャル合同ページ)で、一斉に対外発表という形にもっていきたいと考えています。

 発表時期は二月上旬とし(もうすぐです)、その準備ページ上に、参加希望者の登録サイトを作り、人集めもはじめてしまいたいと考えています。

 準備ページ上に、各出演予定者がどういう内容の発表を考えているか、立花が訪問してインタビュー形式でまとめ、資料とともにどんどんアップしてしまおうと考えています。

 そのコンテンツがある程度出そろったところで、新聞発表(朝日新聞とNHKの後援が得られる予定ですが、プレスリリースの形で、全メディアに通知を出します)をする予定です。

 新聞発表には、準備ページのアドレスをのせ、登録手続き開始の日時をのせ、希望者は、オンラインで登録してくださいと呼びかけます。うまくいけば、オンライン登録で、満パイになるのではないかと思っています(昨年開催された天文台の「理科年表80年の集い」がオンライン登録で満パイになっています)。

 希望者が多くなりすぎて、早めに席がなくなってしまうと、各研究所がどうしてもほしい席数を確保することがむずかしくなる恐れがあります。従って、各研究所からの確保希望席数をまとめてからの登録開始となります。具体的にいつからにするかは未定ですが、二月の終わり頃になると思います。

一、シンポジウムのコンセプト

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 このシンポジウムの位置づけについては、すでに前回メールでお伝えした、「シンポジウムのコンセプト(大きな将来構想)」 にある通りです。ポイントは、自然科学研究機構が自分たちの組織と研究成果を、自ら社会に向けて発信していくということです。

 研究成果は、学会あるいはピア・レビューなどで発表すればよしとして、一般大衆は相手にせずの立場(研究者モンロー主義)に立たないということです。自分から社会との接点を積極的に作っていくということです。

 これまで研究者はともすれば、一般大衆に向けては、メディアから取材を受けたときにだけ対応すればよいという態度を取っていました。

 しかし、あらゆる税金の使い手(基礎科学の研究費はほとんど税金です)に対して強く説明責任が求められる今日、そのような孤高の姿勢をとるだけではすまなくなっています。

 研究者自らが、自分たちがどんな研究をしていて、それが社会にどれほど役立っているか(必ずしも実用的な意味でなく、文化水準の維持、科学技術の水準維持、教育水準の維持も含む)をきちんと説明し、社会の理解を得ていくことが必要な時代になったということです。

 メディアの取材待ちをして、メディアがやってきたときだけ、それに応えて発信するというのでは、不充分です。メディアが無理解だと誤った情報が伝えられてしまうし、研究者が大事と思うことがさっぱり伝えられないことになります。サイエンスコミュニティと社会の健全なコミュニケーションをはかるためには、研究者が自ら積極的に、自らが作ったコンテンツで発信していくことが大切と考えられます。

 その際大事なのは、中身を大衆迎合的なものに堕さしめる(メディアはそうしがち)ことがないようにすることです。また、一方で、いたずらにハイブラウなものにして顔をしかめられることもないようにすることです。サイエンスとして実質がある中身にして、なおかつ、大衆にもわかりやすい表現にしていくことです。

 内容として大事なのは、聴衆が各分野のサイエンスの大きな見取図が描けるようにする(「ははあナルホド、いま科学はこんなところにきてるんだ」とうなずいてもらう)とともに、最先端の研究成果も示して、「イヤー驚いた、先端科学って、こんなすごいことをやっているんだ!」と新鮮な驚きも与えることだと思っています。

 伝達水準は、中の上以上の高校生(高卒者)ならわかる程度というのが、標準的なところだと思います(中の下以下はこのようなシンポジウムに関心を持たないから無視する)。

 ヴィジュアルな表現形式を用い、的確で、要にして簡を得た言語表現を交えていけば、ちょっとむずかしい内容であっても、「なんとなくわかる」あるいは、「よくわからないけど、スゴイことをやっているということはわかった」という水準まで聴衆をもっていくことは可能(そこまでいけば成功)だと思います。

 もうひとつ、頭に置いていただきたいことは、このシンポジウムは、特定の日時(3月21日)に、特定の場所(サンケイ・ホール)に集まった特定少数の聴衆に対して一定の言説が流されることをもってすべて終りというシンポジウムではないということです。

 このシンポジウムは、朝日新聞ならびにNHKが後援になり、各メディアに案内が出されますから、かなりのメディア・カバーがあると思いますが、ここでいいたいことはそれだけではありません。

 まず、シンポジウム前に、準備ページを通して、相当の情報発信を行います。インタビュー、参考資料、参考映像を含め、シンポジウム当日の情報発信より多いくらいの発信にしたいと思います。

 また、シンポジウム終了後には、事前の発信に加え当日の記録を含め、ちゃんとした出版物(報告書のたぐいではなく、書店の店頭にならんで市販されるような出版物という意味)にまとめたいと思っています。

二、シンポジウムのプログラム案

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 以下は、前回配布の新第一案に、各位からの反応を加えて、若干訂正したものです。基本的には、このあたりかなと思っていますが、まだタイトルの文言はギリギリまで練り直そうと思っています。時間割は厳密には決めていませんが、サンケイ・ホールは、終日とってありますので、午前中にはじめて、夕方近くまでやろうと思っています。聴衆の皆さんに、コンテンツたっぷりで知的好奇心満足度百%の一日を提供したいと思っています。

 最初に、骨子を示し、あとから説明を加えます。

プログラム案骨子。

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(1)イントロとして、本日のシンポジウムの概略説明(立花隆)
コンセプトとプログラムの全体像
(2)自然科学研究機構 機構長挨拶(志村令郎)
「自然科学研究機構とは何か」
(3)「見えてきた! 宇宙の謎、宇宙生命の謎」(天文台長 海部宣男)
(4)「見えてきた! 生命の謎――生物はどこからきてどこに行くのか」(基生研所長 勝木元也+長谷部光泰)
(5)「もう一つの宇宙=脳の神秘が見えてきた」(生理研 柿木隆介・定藤規弘)
(6)パネル『21世紀はイメージング・サイエンスの時代』
総論と司会 永山国昭(岡崎総合バイオサイエンスセンター)
「科学は見る時代から見えないものを観る時代へ」
各論と討論を五研究所研究者で
「二光子励起顕微鏡で脳の高次機能が見える」(生理研 河西春郎)
「蛍光ラベル法で脳の発達が見える。脳内情報の流れが見える」(基生研・東大 伊藤啓)
「光の波長より小さなものを見てしまう近接場光学」(分子研 岡本裕巳)
「すばるをハッブルより高性能にした補償光学」(天文台 家正則)
「核融合プラズマの世界を見せてくれるX線CT」(核融合研 長山好夫)
(7)総括と予告(立花)

全体の流れについて

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 全体の流れについて、一言注釈を加えておきます。冒頭の立花の行うイントロ部分で、科学というものは、「見ること」と不即不離の関係にあることを強調します。

 科学の営みとは、「見る」→「不思議の発見」→「不思議究明」→「考える」→「もっとよく見る」→「もっとすごい不思議発見」→「もっと深く考える」の絶えざる繰り返しであると述べ、21世紀の科学の最先端は、とんでもなくすごいレベルの「見る力」の上にきずかれているということを強調します。

 そして諸科学の中で、最も「見る」と直結したサイエンスである天文学がいまどこまできて、どんな謎ときに挑戦しているのかを語ってもらうという形で、海部天文台長の話につなぎます。

 以下、次の演者のプリゼントをしながら(立花が)話をつないでいきます。

 生命の謎のところでは、勝木基生研所長が、まず、生物学の大きな流れについて語り、現代生物学には分子生物学という大きな流れがあるが、それについては、第二回目に分子研中心に予定されている「分子――物質と生命の間」(仮題)のほうにゆずりたいということで、ここではむしろ、生物の大きな流れについて見ていきたいということで、長谷部の「生物はどこからきてどこに行くのか」の方向に話をつないでいきます。

 脳の話は、柿木、定藤の脳の不思議解明の大きな話にはじまり、そのままパネル部分の脳のイメージングの話(河西、伊藤)の話につなぐという形で自然にパネルに移行していきます。

 パネル冒頭の脳のイメージングの話が終ったところで、コーヒーブレイクをはさみます。休憩明け、永山がイメージングサイエンスの最先端部分は位相の検出によって切り開かれたということを語り、それによってかつて見えなかったものがどんどん見えるようになってきたということを、自身の位相差電子顕微鏡の研究を例にしながら総論的に語り、天文学の補償光学(これも位相の利用)に話をつなぎます。

 次に、天文学で見ているものは、実はすべて核融合が起している光であるが、かつて天上にのみあった核融合がいまや地上におりてきて、それを人間が自由にコントロールしてエネルギーを取り出すべく、新しい核融合の科学と技術が最新の研究として進んでいるという話から、核融合研につないでいきます。

 最後に、立花が結語として、今回分子研と核融合研の出番が少なかったのは、どちらもやっていることが大きすぎて、かつ幅が広すぎて、とてもおさまりきれなかったからであり、これにつづいて、分子研中心に分子の世界(この世でおきているほとんどすべての現象は、分子の世界の現象)、核融合研中心に核融合とエネルギーの世界をメインテーマにすえた二回目、三回目のシンポジウムを開く予定であると予告して、全体をしめたいと思っています。

 事務的な執行体制ですが、五研究所の中で事務のパワーが大きく、大集会の経験豊富な天文台が中心的にやっていただけることになりました(総指揮・海部)。なるべく手造り的にやりたいのと、また天文台が大きいといってもそう何もかもできないので、各研究所とも、応援よろしくとのことです。

 ネット上の準備ページは、立花ゼミの学生たちが「サイ」のページにリンクさせて作っていきます。出演予定者には、ほしいだけのページ数を与えますから、立花ゼミ側の要望(インタビュー、資料提出)にこたえるだけでなく、みなさん自分で好きなようにどんどん発信をはじめてください。

 立花ゼミと「サイ」のページについては、参考資料を付しました。駒場のオープンラボに研究室を開設するために提出した研究計画書です。基本的考えはここに示されています。

 ただいまの時点、「サイ」のページの更新がとどこおっているように見えるのは、アップ以前の作業工程中のものが多いのと、学生がちょうど期末試験の時期に入ってしまったため、活動が一時的に不活発化しているためです。



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