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プログラムについて

 自然科学研究機構に結集した研究機関はいずれもそれぞれの研究領域で世界のトップクラスに数えられている研究所です。

 このシンポジウムでは、各研究機関から、トップクラスの研究者たちが次々に登場して、それぞれの研究領域で今どこまで研究が進んでいるかを語ってくれます。

 それは総論部分と各論に分かれます。

三大謎に迫る

 まず、海部宣男・国立天文台台長、長谷部光泰・基礎生物学研究所教授、柿木隆介・生理学研究所教授の三人が、順に宇宙の謎、生命の謎、脳の謎の総論を語ってくれます。

 万人が知りたいと思っている、それら三大謎がどこまで解明されたのか。いまどこに謎が残っているのか。三人の話によって、科学の最前線の大きなイメージが見えてきます。

科学の最前線

 シンポジウムの後半では、最前線の本当のフロンティア部分では、どんなレベルまで研究が進んでいるかを具体的に現場の研究者たちが語ってくれます。

 それは本当に一般の人には想像もつかないようなレベルの話で、みんなびっくりするはずです。

 トップにでてくるのは、脳研究をしている生理研(東大)の河西教授です。

シナプス構造を見る

 二光子励起顕微鏡(組織の内部に焦点をあてて蛍光物質を発光させることで、組織の内部を見ることができる)という独特の方法を用いて、これまで世界で誰も見たことがなかった脳細胞の内部のダイナミックな変化をとらえています。

 フェムト秒レーザー(十兆分の一秒)という極超短時間だけ発光するレーザーをピンポイントに照射することで、生体を傷つけることなく脳細胞内部の微細な変化をとらえています。

 それによって、脳の高次機能の最大の秘密が、神経細胞 (ニューロン)のシナプスのスパインと呼ばれる部分にあることを示します。

 それによって、大脳に100兆個もあるスパインの一つ一つが個別のメモリとして機能しているということがわかってきました。これは驚きです。人間はみな、脳の中に約10テラバイトのメモリを持っているということになります。

 くり返し刺激があると、スパインの頭部は大きくなり、神経伝達物質の受容体がふえ、感受性も増大するということがわかってきました。これが記憶の素過程の物質レベル、形態レベルの変化ではないかと考えられ、そうだとすると、脳の最大の謎であった脳の高次機能はいかにして発現するかという秘密がいよいよ解き明かされるところにきているということなのかもしれません。

 河西教授のこの研究は、いま世界中の脳科学者の注目を集めている大研究で、世界のあちこちの研究者が追いかけていますが、技術的むずかしさから、まだまだ追いつけず、当分河西教授の独走状態がつづきそうです。

“見える”技術の開発

 脳の河西教授の研究は、最先端の見る技術の開発によって、これまで見ることができなかったものが見えるようになり、そういうことが起こると科学が飛躍的に発展していくという見事な例になると思いますが、次のパネルの、「21世紀はイメージング・サイエンスの時代」に登場する研究者たちも、みな驚くような“見える”技術の開発によって、それぞれの領域のサイエンスを大きく発展させた人たちです。

 つまり、このシンポジウムのタイトルの「見えてきた!」の部分には、二重の意味がこめられています。新しい見る技術の開発によって、これまで見えないものが「見えてきた!」ということと同時に、そのようにして新しいものを見ることによって、これまで謎とされてきたことが、「見えてきた!」ということです。

 20世紀の後半、飛躍的に発展したサイエンスは、21世紀に入ってさらに飛躍・発展をとげつつありますが、その背景には、その発展を支える“見る”技術の急速な進歩があったわけです。

 後半のパネルの部分は、まさにそこのところに焦点をあてて、サイエンスのあらゆる領域で起きている方法論革命ともいうべきイメージング・サイエンスを主題にしています。

前回のシンポジウム

 実は昨年八月、自然科学研究機構で、一泊二日の大シンポジウム、「イメージング・サイエンス」が開かれて、大成功をおさめました。

 自然科学研究機構は、研究領域も方法論も全くちがう五つの研究所の寄り合い所帯的組織として発足しました。この一泊二日のシンポジウムは、異質の研究所とはいえ、せっかくいっしょになったのだから、少しでもシナジー効果を出すために、連携研究をしようということで始まった最初のプロジェクトでした。

 領域をこえて連携できることは何かということで最初に考え付かれたのが、科学の方法論としてのイメージングの問題だったわけです。

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