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長山先生の講演内容

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長山 好夫
核融合科学研究所教授

第6章 マイクロ波イメージング

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6.1 ECEイメージング装置

 さらに強力なイメージング計測装置が、現在開発中である。本来の目的は輸送障壁での乱流の様子を可視化することだが、感度がまだ足りない。しかし、最近、崩壊現象の解明には十分な感度を出せるようになった。[12, 13]


図13 ルーマン教授のECEイメージング装置。(a)測定装置の模式図。(b)心臓部のマイクロ波検出器アレイ。検出器本体はテフロンレンズに隠れている。

 ここでは、米国・カリフォルニア大学デイビス校のネビル・ルーマン(Nevil Luhmann)教授がマイクロ波1次元検出器を用いたECEイメージング装置を紹介する。図13(a) にECEイメージング装置の模式図を示す。ルーマンのECEイメージング装置では、図13(b) に示したマイクロ波1次元検出器を縦(z方向)に並べる。奥行き(R方向)については周波数が異なることを利用する。周波数分解するためには、狭帯域の周波数フィルタを用いている。まだ周波数帯域が狭いために、プラズマ断面像のR方向の幅は狭く、縦方向の視野も限られている。

6.2 ECEイメージング装置でみた局所再結合現象

 このECEイメージング装置を用いることで、プラズマの回転を用いることなく、直接的に、時々刻々と変化していくソートゥース崩壊の様子が分かる。


図14 多チャンネル検出器を用いたTEXTORトカマクプラズマのsawtooth崩壊時のECEイメージング像の時間変化(H. Park, "2-D Real Time Images of Self-Organized Te Redistribution of Sawtooth Oscillation (m=1 mode) on TEXTOR", 47th Annual Meeting of the Division of Plasma Physics, (October 24-28, 2005; Denver), Abstract: GI1.00004.)。

 図14に、プリンストン大学のヒヨン・パーク(Hyeon Park)が、ルーマンのECEイメージング装置を用いて測定したドイツのTEXTORトカマクのソートゥース崩壊時のプラズマのECE断面像を示す。ECEイメージング装置の視野にソートゥース崩壊でのホットスポットと外側磁気面の接触点が来たときのECE断面像が図14である。図14では、接触点において細長いトンネルができたかのように熱が内側から外側に逃げていく。これは再結合が局所的に起きていることを直接的に示している。[12]

 なお、日本でも、九州大学産学連携センター・間瀬淳教授と核融合科学研究所が協力して、ECEイメージングなどのマイクロ波イメージングの開発が行われている。[13]



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