立花隆からの予告
立花ゼミ生による取材同行記
キーワード解説
メニュー
このページの説明
立花隆からの予告
シンポジウムのコンセプト
新着情報
これからの予定
プログラム
講演者の紹介
取材同行記
講演内容の要約
キーワード解説
アーカイブ
会場案内
その他のおしらせ
リンク

主催機関へのリンク

長谷部先生の講演内容

ページ先頭へ↑
長谷部 光泰
基礎生物学研究所教授

立花隆より

ページ先頭へ↑

 とりあえず、4.「見えてきた!生命の謎――生物はどこからきてどこに行くのか」については、先日、基礎生物学研究所を訪ね、長谷部先生から直接、当日話す予定の概要をうかがったときに、先生からいただいたメモをそのままここにのせておきます。

 実際には、このメモをもとに、沢山の画像をまじえながら、次から次に、大きな生命の流れについて、湧くがごとき興趣につきない話を伺いました。具体的な生命の歴史と抽象的な生命論の間を行きつ戻りつしながら、生命とはいったい何なのだろう、その本質はどこにあるのか、我々がいまここにいることはなんて不思議なんだろうとつくづく考えさせられました。

 この全体を見渡すには、どうしても数時間はかかってしまいます。それをどのように、55分におさめようか、いま長谷部先生が頭をひねっているところです。

 それがどのような形にまとまるか、まだ不明ですが、どうまとまるにしろ、オリジナルの話は、これくらいに大きな話だったのだということを知るためにも、このメモ全体に目を通しておくといいでしょう。

長谷部光泰教授にいただいたメモ

ページ先頭へ↑

「見えてきた!生命の謎――生物はどこからきてどこに行くのか」

(1)多様な生物(導入)
生物多様性の野外調査と多様性の実体
多様性は進化の結果である
では進化がどのようにおこったのか
これまでにわかった進化メカニズムの概略
(突然変異、自然選択、浮動)
実際になにがどうかわったか(プロセス)にはまだ謎が多い
(2)生物の出発点:自己複製能力の進化
生物の最も大きな特徴は自己複製である
複製機構の確立とともに、複製ミスがおこり、進化の源泉である突然変異が生まれた
つまり、生きることと進化は表裏一体である
(3)自己の確立:膜系の進化
どうして膜系で覆われるようになったのか?
自己組織化?
結果として必然的に起こったこと:外界と自己の区別
(4)核酸から細胞へのギャップ
膜系で覆われることのデメリットをどう克服?
偶然の産物か?
細胞が基本単位であることによって生み出されたもの
->受精->有性生殖
(5)有性生殖の意義

(6)多細胞化
単細胞の限界と多細胞化(分業)
植物細胞と動物細胞という2つの異なった細胞の進化
動ける細胞と動けない細胞の多細胞化の違い
表層微小管系->動けない細胞の形を決める鍵の一つ
どうして表層微小管系が進化できたのか?
イメージング技術により、微小管が枝分かれしていることがわかった
枝分かれで動植物細胞の外見的違いのかなりの部分が説明できるかも
微小管という分子のレベルの変化が多細胞体制進化の根幹だった?
(7)多細胞体制の確立――個体内情報システムの進化
単細胞、多細胞両方のシステムにおいて情報システムが必要
物質の二方向性(表と裏、+と-、ゆらぎ)がシグナルの源
いろいろな局面での例:リン酸化、膜構造、左右性
軸形成(二方向性の拡張)
多数軸形成
動物における軸の増加:四肢進化
植物における軸の増加:茎葉進化
(8)多細胞体制の複雑化
,
遺伝子重複と機能分化による新規器官進化:花器官の進化の例
どうやって複雑化したのかわからない器官:茎葉、食虫植物の例
(9)さらなる複雑化:個体間情報システムの進化
DNAを超えた情報伝達手段の担い手:脳


ページ先頭へ↑